アルシン→ナイトロ
ナイトロを助けるためなら何だってするはずだった。まさか俺の犠牲になってしまうとは。
そんなことは誰も予想できなかった。
あの時からだ。
あの時から、昼間に1人で池を眺めに行くようになった。救えなかった彼を悔やんでいた。
あれから、彼は復活した。
俺ももちろんナイトロと一緒に死んだ。
ただ…ナイトロは前の記憶がひとつも無かった。
俺ははっきり覚えていた。
曇りの空、敵が向けた銃口、目の前で殺された親友…。
目の前に彼がいる。
前と同じ笑顔で、声で、動きで。
それでも何も覚えてなかった。
俺の名前すらも。
気づけば俺も昔の彼を忘れそうになっていた。
何かの呪いだろうか。
それでも、中身は全くもって彼だった。
きっとまた同じあのナイトロに戻るだろう。
思い出してくれとは思わない。
俺が変わらなければまた同じ彼に戻ってくれるに違いない。
少し昔に固執しすぎただろうか。
親友であることに変わりはない。
恩返しがしたい。
今度はね。
ナイトロを助けるためなら何だってしてみせる。